2024/06/08
俺には、小さい頃にずっと一緒に遊んでいた女の子がいた。
名前は、なぎさってことにする。
なぎさとは本当に仲良しで、何をするにも一緒だった。
同じ幼稚園に行き、ご飯も砂場で遊ぶのも工作するのも、なんでも一緒だった。
親から聞かされたから、本当にいつも一緒にいたんだと思う。
というか、俺にもその記憶はまぁまぁ残ってる。
そんなこんなで、毎日楽しい日々を過ごしていたであろう幼少時代。
まぁ、その頃は遊ぶことぐらいしか考えてなかったから楽しかったんだろうなぁ。
二人とも同じ小学校に進んで、クラスは違っても一緒に下校したり、
遊んだりやっぱりいっつも一緒にいた。
四年生ぐらいになると周りの奴が俺たちを見て、夫婦だと言ったり、
ラブラブだね!!とかって冷やかしたりしてきた。
その頃から俺は恥ずかしくなって
少しだけ距離を置くようになった。
まぁ、誰にでもある男女の違いを
感じ始めた年頃ってわけね。
昔は結婚しようね!とか
恥ずかしげもなく親の前で口にしていたなぁ。
でも、そんなことがずーっと続くわけもなく
五年生からは俺は男友達とよく遊ぶようになったし
あまりなぎさとは顔をあわせなくなった。
あった時も、おー元気ー?(笑)
みたいな感じだった。
そんな感じで中学校に上がると
なぎさとはさらに話さなくなった。
なんであそこまで喋らなくなったのか?と
今更ながら考える。
でも、俺は昔からずっと
なぎさのことが好きだった。
好きだってずっと思っていたけど
そんな簡単に思いを告げられるわけなく
告げる気もなかったので
平凡な中学生をして過ごした
中学二年生の時
休み時間に制服のまま、
グラウンドでキックベースをして
泥だらけになったから
保健室に着替えをもらいにいった。
保健室に入ると、なぎさがいた。
俺:「ほぅ、久しいのお嬢」
なぎさ:「なーに?その喋り方」
俺:「気にすんな。ってか、どったの?」
なぎさ:「別にー 俺こそ何してんの?」
俺:「下級生に俺の勇姿を見せたら制服が犠牲になった」
なぎさ:「あんた相変わらず馬鹿ねぇ」
俺:「待て、そんなこと言うと泣くぞ」
みたいな会話をしたのを覚えてる。
なんで保健室にいたのかの理由も答えてもらえなかったし。
その時は別に不審とも思わなかったし
なにより俺は早く学校のシャワーを借りたかった。
ちゃちゃっとシャワーを浴びてから
保健室に戻るとなぎさはぼーっと窓からグラウンドを眺めていた。
俺:「運動音痴のお前が外見てどうした」
なぎさ:「殴るよ?」
俺:「すみません!」
みたいなやり取りをして
横で一緒に外を眺めてた。
なぎさ:「ねぇ昔は、俺はずっと私と居たよね」
俺:「そうね」
なぎさ:「最近はあんまり二人ではいないよね」
俺:「まぁ冷やかされるしね」
なぎさ:「ほんと、ああいうこと言う奴ら嫌い」
いかにも不満そうな顔をしてた。
中学生にもなって「お前ら結婚すんの?」
とか言われたら誰だって嫌気が差すだろう。
そんなことを話してたら休み時間が終わった。
で、なぜか俺だけ保健室の先生に帰らされた。
「戻らんの?」って聞いたら
「めんどい、サボる」って言ってそのまま
ベッドの中に埋まって行った。
俺:「馬鹿に拍車がかかるぞ?」
なぎさ:「帰れ」
と、言われたので教室に戻った。
それから数日が経った時
怪我したんだだったかなんかで保健室に行ったらまたなぎさが居た。
俺:「お前、よくここいるのね」
なぎさ:「まぁね」
みたいな会話をして俺は保健室をでた。
なんか変だなぁとは思ったけど
そこまで気にしてなかった。
今思えば、なんであの時気づかなかったのか
自分の情けなさに泣けてきます。
それから数週間たった時
家でくつろいでたら、オカンから…