2024/06/08
だからもう、抱きしめることしかできませんでした。
思いっきり抱きしめて、震えているなぎさを
止めようとすることしかできませんでした。
俺の腕の中で、小さく震えながら嗚咽を漏らす
渚の姿を見て、本当に泣きたくなりました。
俺:「ごめんな。 辛かったよな」
俺:「嫌だったよな」
泣き続けるなぎさは、俺の背中を必死に掴んで
胸に顔をうずめて泣いているのを
必死に隠そうとしていました。
俺:「いままで、辛かったよな」
俺:「耐えてくれてありがとう。 もう大丈夫だから」
俺:「だから、泣かないで」
そっと頭に手を乗せました。
少しだけ震えが止まり、
胸から顔を話して上を向きました。
涙でいっぱい濡れているなぎさの顔は今でもはっきりと覚えています。
なぎさ:「・・・っ!」
すぐに顔が歪み、また泣きそうになりました。
だから、思いっきり引き寄せてキスしました。
唇は涙で濡れていて、少ししょっぱかったです。
なぎさもビックリしたようで、背中に回していた手が
ビクッと硬直しました。
なぎさの唇から自分の唇を離した瞬間。
「いい雰囲気のところすんませーん」