2024/06/08
なぎさを教室にいかせる日になり
その時は確か、三時間目のお昼休み前の時間。
実際どんな風にいじめられてるのか、
それを知るために授業をサボり
ベランダからなぎさの教室をこっそり覗いていました。
(うちの学校は、ベランダに境がなく全て繋がっているタイプでした。)
授業が始まる少し前になぎさが教室に。
それを見たクラスメイト達は一瞬時が止まったように固まりました。
しかし、すぐに百合香がなぎさに向かって
「あれぇ、なんか来たんだけどー(笑)」
みたいな感じでなぎさにふっかけました。
マジであの女をぶっ殺そう!
と、思いましたが、ここで出て行っては何の意味もないと、我慢。
この時のなぎさの表情は本当に痛々しく、
見ているこっちが辛かったです。
必死に嫌なことに耐え、居心地の悪い場所に
とどまり続けることは本当にキツいことなんだと
心の中でずっと謝り続けました。
やがて授業が始まりました。
最初、見ているうちは特に何事もなかったのですが、開始十分後ぐら
いから異変に気付きました。
なぎさが教科書を一ページも開かないのです。
ずっと机の上を凝視し、ほとんど動かない。
ノートも開きませんでした。
その時の担当の先生は国語の教師であり
同時になぎさの担任でもありました。
その先生は、文章を席順で読ませて行くシステムをとっており、なぎさの番に。
先生:「なぎささん、続きお願いします」
指名され、こちらには聞き取れない声で
たぶん、はぃ。と言って教科書を開きました。
窓から見えた教科書は、ページ丸々、黒のマジックで塗りつぶされていました。