2024/06/08
カーテンを開けて中に入ると
なぎさは枕をぎゅっと握って
まだ涙の残る目元で、寝ていた。
時々フルフルと震えていたけど
寒いのか、怖かったのかわからなかった。
なんだかとても愛おしくなって
なぎさの頭をそっと撫で続けた。
何回も何回も撫でていたような気がします。
撫で続けていると、不意にキュッと
さっきまで枕を掴んでいた手で
俺の手を握っていました。
手の位置を変えて、掴みやすいようにしてやると
軽くにぎにぎしてきたので、
こっちもにぎにぎし返してやりました。
少しするとスーッという寝息が聞こえてきた。
いっぱい辛いことに向かって行ったから
ずっと怖かったし、疲れたんだなぁと思い
しばらくの間握り続けていました。
保健室の先生も見て無ぬふりをしてくれ
その時間はなぎさの隣で過ごしました。
こいつだけは、助けてやろうと心から思いました。