2024/06/08
メンバーふたりは仕事で活動出来る時間が限られていたけど、
いつしか僕はその時間もフルに使って活動して行かないとダ
メだと思っていた。
そのことを提案すると、ふたりは少し驚いたような顔をして
いた。
「ちょっと焦り過ぎじゃないか?」
「そんなことはないよ、むしろこれでも遅いくらいだと思う」
「俺達もバンドは好きだけど、でもそれだけにすべての時間
を使えるわけじゃないんだよ」
僕はその時に気付いた。
ああ、ふたりはバンドを趣味レベルにしか見ていなかったん
だ。プロになりたいだとか、真剣に考えていたのは僕だけだっ
たんだ。