2024/06/08
ふたりで居酒屋に入り、僕はバンドに対する思いとか、他の
メンバーに対する思いとか、恥ずかしいことまでべらべらしゃ
べっていたと思う。
Uさんは真剣に話を聞いてくれて、ひと通り話を聞いたあとに
「難しいけど、いろんなテンポとか思いとかそういうのを集
めてバンドが出来上がるんだと思う。
1人の気持ちで周りがくっついて動くだけなんて、バンドと
はいえないんじゃないかな」
といってくれた。
悲しいけど事実そういうことだったんだと思う。結局、僕が
夢見ていた栄光の道は現実には存在しないということがはっ
きりとわかった。
このバンドを続けていく以上は僕とふたりのペースは明らか
にバラバラで、そのテンポをうまくみんなであわせていくし
かないんだ。
バンドをやめて別のバンドを組むというのは僕には考えられ
なかった。とにかく僕にはこのバンドしかなかった。