2024/06/08
普段は女の子っぽい丸字を書く彼女だった。
付き合って三ヶ月くらい経った時、彼女の家に行き部屋に数点の掛け軸が飾ってあった。
女の部屋で異質を放っているその掛け軸に違和感を覚えつつも「渋いねぇ。こう言うの好きなの?」と言ったら、
「あーそれ自分が書いたやつ。実は書道習ってるんだ。この前先生が表装してくれてせっかくだから飾ってみた」と言われた。
聞けば書道暦24年で書道師範の資格も取っており現在9段との事。
よく見ればガラス棚の中には賞と言う賞を総なめにしてきました!と言わんばかりのたくさんの賞状と盾。
書が掲載された新聞の切り抜きもあった。
飾っていある掛け軸の字ももの凄く達筆だった。
と言うか、達筆とか綺麗とか上手いとかそう言うレベルじゃない感じ。最早芸術作品。
が、素晴らしいを通り越してなんかもう感想すら「凄い」以外思い浮かばないって言うか次元が違いすぎるって言うか、
凄すぎて逆に恐れ多い・近寄りがたいと言うかとにかくそう言う気持ちを抱いてしまい冷めてしまった…。
確かに字が綺麗な子はいいなぁと思うけど、ここまですごいと好感ってのは通り越してしまうんだなぁと思った。
正に、凄すぎて引いた。
彼女は全く悪くなかったんだけどね、それ以来彼女を同じ人間ではない人のように思ってしまいダメだった。