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ゲーセンで出会った不思議な子の話

time 2021/12/18

ゲーセンで出会った不思議な子の話

818: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/17(火) 00:29:48.04 ID:WJObiXhX0
しばらくすると冷静になって二人して、
「え、これ何が面白かったの?」的な感じになった。
遠くから少年野球の声が聞こえる。
彼女「ねえ、あの少年野球にいたの?」
俺「うん、懐かしい。もうずっと前のことだけどね。」
彼女はしばらくぼーっと駆けまわる少年たちを見つめていた。
彼女「キャッチボールしよう。」
俺「大丈夫?無理しないでね。」
彼女はまた歌い出す。
「べーすぼーるのおとが鳴ったー、だれもぎゃらりーいないぐらうんどーってね。」
俺「何それ?」
彼女「知らないの?」
彼女は音楽の造詣も深くて、たまに俺の知らない曲も歌う。
そうするとちょっとぐずるんだけど、そういう時は決まって
すぐiPodとかで教えてくれる。
822: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/17(火) 00:35:54.74 ID:WJObiXhX0
その曲はフジファブリックのベースボールは終わらないだった。
「フジファブリックか…」
その日はその曲にピッタリだった。
晴れ渡っていて、広いグランドに二人だけ。
俺はその曲に則って、「あとで炭酸飲料を買いに行こう。」
というと、彼女はやたら喜んだ。
「いくよ!」
俺がボールを投げると、彼女はしっかりキャッチ。
そしてイイ感じに返してくる。運動神経がよかったのか、
昔からあまり運動が得意でない俺はちょっとだけうらやましくもあり、楽しくなった。
844: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/17(火) 00:52:18.09 ID:WJObiXhX0
ひとしきり小学校で遊ぶと、俺は彼女を連れて小学校の近くの駄菓子屋に行った。
正直、まだあるか不安だったけど、小学生の時はよく入り浸っていた。
彼女「すごい…こういうのって本当にあるんだね。」
俺「ま、田舎だからね…w」
駄菓子屋のおばちゃんには可愛がってもらった。
おばちゃん「はい、いらっしゃい。」
俺「こんにちは、富澤ですー」
おばちゃん「あら、富澤くん…久しぶりだねえ…」
彼女も笑って、
「こんにちは」と言った。
3人でしばらく談笑した。
849: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/17(火) 00:58:08.94 ID:WJObiXhX0
おばちゃんは、
「この前〇〇君来てさ…とか、〇〇先生がね…」
と懐かしい話をたくさんしてくるため、俺は楽しかった。
店を出る。
彼女は退屈だったかな、って思うと彼女は買った駄菓子を抱えながら
彼女「すごいね…すごいね。あったかい。こういうの本当にあるんだ。」
とすごく喜んでいた。
彼女「富沢のこともっと知れた気がして嬉しいんだー
これが田舎かーふるさとかー」
彼女は高揚して何度も言っていた。
俺がいつも飲んでいたって教えてあげたチェリオを嬉しそうに飲んでいた。
854: 名も無き被検体774号+ 2012/01/17(火) 01:02:45.42 ID:fo1rgzew0
チェリオって瓶のやつだよな。
なついなー
855: 名も無き被検体774号+ 2012/01/17(火) 01:06:08.61 ID:o72mg8G60
>>854
アイスじゃないんだな、俺はてっきりアイスかと、
857: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/17(火) 01:06:29.44 ID:WJObiXhX0
そのあとは、彼女を連れて歩いて、疲れたら休んで、での繰り返しで
そこら一帯、俺にゆかりのある場所をめぐった。
路端の小川を指して、「中学の時この場所によく自転車をつっこんで走って、水上自転車大会って
言って遊んだんだよ。」とか、
「このお宮にいつも初詣にきたんだ」とか、
「中学の通学路はここで、片想いの子が彼氏と歩いてるの見てショック受けたんだー」とか。
それは、まったく中身のないしょーもないツアーだった。
でも彼女は、「わーすげー!」「こんな感じ?」
とか一つ一つ本当に生き生きとリアクションをとった。
小学校からさほど遠くない母校の中学校まで来て、彼女は突拍子も無いことを言い出す。
860: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/17(火) 01:11:18.56 ID:WJObiXhX0
彼女「毎日、ここの中学校に通ってたんだね…」
俺「そうなるね。いやーなつかしいww」
彼女は正門からの道を指した。
彼女「で、ここを帰ったと…」
俺「うん、そうだね。」
彼女「わたしたち今から中学生ね、同級生の。ひゃーどうしよう。」
俺「ええー!?」
その日は時間が経つのも早く、時分はそろそろ夕方にさしかかろうと
している頃だった。
865: 名も無き被検体774号+ 2012/01/17(火) 01:13:55.67 ID:o72mg8G60
>>860
ここ、だけみると彼女は昔からからだ弱くて今、取り戻そうとしてるみたいだな。。。より切ないよ
870: 名も無き被検体774号+ 2012/01/17(火) 01:16:23.67 ID:t/bOhu8z0
そういえばゲーセンに会う以前の彼女の事は語ってなかったな
876: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/17(火) 01:23:49.01 ID:WJObiXhX0
>>870
のちのちふれますね。
普段爛漫な彼女が、この時は中学生になっていたのか、
急に無口になりだすもんだから、俺は焦った。
空も夕焼けに近づいて、俺は手に変な汗をかきそうだった。
俺たちには珍しく、話す言葉が浮かばなかった。
よく分からないけど、なんだかすごく初々しい気持ちになっていた。
彼女がそういう風にしていたからなのか、なんかいつもの調子とは違っていた。
どうせ自転車取りに行かなきゃ行けないから絶対行くのに、彼女は意味ありげに
「ねえ、ちょっと小学校寄り道してこっか。」と言った。

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