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ゲーセンで出会った不思議な子の話

time 2021/12/18

ゲーセンで出会った不思議な子の話

105: 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 2012/01/15(日) 15:29:37.22 ID:nhA7ui6A0
なんかこえーな
107: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 15:33:14.65 ID:WuLtuWlB0
そこにはポップンやら音ゲのキャラクタ、あるいは格ゲーキャラクタの絵があった。
とても可愛らしい絵柄で、おれは素直にいいなあ、と思った。
絵柄的には誰だろう…chancoさん辺りに近かったと思う。
俺「わああ!すごい上手いですね!」
彼女は満面の笑みになった。
彼女「ありがとう。」
彼女「私はただ本当にアーケードのゲームが大好きなだけ。」
しかしそれでもまだ合点がいかないことだらけだった。
なんで泣いていたのかがどうしても気になった。
108: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 15:37:41.80 ID:WuLtuWlB0
俺「でも、本当に上手いですね。大好きな絵柄です!」
俺「やっぱりそっち関係を本当は目指していたんですか?」
彼女「ま…ね」
俺「そうなんですか…でもこれだけ上手かったらきっとまたチャンスありますよ!
俺は絶対応援しますよ!」
彼女「いや、もうそういうのは描かないって決めたことだから」
俺「? どうしてですか?」
115: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 15:43:09.08 ID:WuLtuWlB0
彼女「君は若くて、絵が大好きで、きっといい子なんだろうね。」
俺「え、はい、あの…」
彼女「ダメなんだよ、気安くそう優しい事言っちゃ。」
いつになく真剣な顔になったので、怖かった。
目が真っ赤になっていた。
彼女「君はダメだ…。ダメダメだ。」
ダメダメって言われたのが妙に覚えている。
彼女「じゃあね、今日はここまでで。付き合ってくれてありがとう。」
帰り際にコピックマルチライナーを俺に手渡して、そそくさと去っていった。
俺は呆然として、追いかけることもできなかった。
117: 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 2012/01/15(日) 15:46:07.02 ID:nhA7ui6A0
コピックマルチライナーってなんだよ

119: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 15:47:35.39 ID:WuLtuWlB0
>>117
ごめん。画材のことだ。イラスト描いたりするペンだよ。
120: 忍法帖【Lv=22,xxxPT】 2012/01/15(日) 15:52:25.61 ID:nhA7ui6A0
>>119
なるほど、ありがとう
118: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 15:46:49.14 ID:WuLtuWlB0
何も分からなかった。
俺は完全に彼女にすべてを持っていかれてしまった。
しばらくメシもろくに食えなくなって、もらったマルチライナーで
落書きとかしてた。
寝ても覚めても完全に彼女のことしか思い浮かばなくなっていた。
でも連絡先すら知らなかった。
もはやゲーセンに行くということだけが、
彼女と俺を繋ぎとめる唯一の方法だった。
121: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 15:55:57.08 ID:WuLtuWlB0
俺は悶々としながらゲーセンに通い続けた。
あの調子じゃ、次会っても何を話したらいいか分からない。
俺がいつものように学校帰りにゲーセンに行くと、彼女はいた。
LOVの筐体に座っている。
肩を叩いて、会釈する。
彼女「あ、きた~!ねえねえローカル対戦しよーよ!」
彼女は会うなりゲームに誘ってきた。
ゲーセンありがたい。ゲームを介せば彼女の機嫌も良いみたいだった。
122: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 15:59:03.02 ID:WuLtuWlB0
ゲーセンというものが、俺らの仲をつなぎ止めてくれている。
そんな風に感じた。
ひと通りゲームをして、喫煙所OR自販機に行って格ゲー談義して、
楽しかった。
楽しくて気が合うからこそ、俺は彼女のことを知りたかった。
ゲーセンにいるうちなら、何か話してくれるかもしれない。
俺はそう思っていた。
初対面に会った時も、ゲーセンだからあれだけ意気投合できた。
124: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 16:02:06.69 ID:WuLtuWlB0
ひととおりゲームをして、また自販前に来た。
ゲームが心地よく鳴り響いている。
俺「あの…吹石さんはどうして絵を描き始めたんですか?」
彼女「わたし?んー…お兄の影響かなぁ」
彼女はポロッとこぼした。
ここで俺は初めて彼女にとってのお兄さんの存在を知った。
126: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 16:07:19.96 ID:WuLtuWlB0
ゲーセンという、お互いに好きな場所だから、ついつい気を許して口をついて出たんだろう。
彼女はハッとした顔だった。
俺「お兄さん…ですか?」
彼女はかぶっていたキャスケット帽を深々とかぶり直した。
俺「なんですかソレ…」
彼女は苦笑う。
彼女「わたしには兄がいるんだよ…。小中学生の時はよく一緒にゲーセンに来たよ。」
彼女「だからわたしはゲーセンが好きになったんだけどね。」
俺「お兄さんもゲーセン好きだったんですね?」
彼女「うんw好きなんてもんじゃなかったよ。」
132: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 16:13:59.38 ID:WuLtuWlB0
彼女「お兄は絵が大好きだったから、みんなにやってもらえるアーケードゲームを作りたい
って、いつも言ってた。」
俺「それはすごいですね…」
彼女「でもね。」
彼女「ウチは厳しいから…お兄は美大に行きたかったんだけど、親に
旧帝大以上の大学じゃないとダメだ、って言われて…」
彼女「東大に行ったの」
俺「え、すごいじゃないですか!」
133: 名も無き被検体774号+ 2012/01/15(日) 16:16:22.08 ID:RtZ4bQJy0
その子のスペックをもう少しでよいので希望です!
身長とか、服装とか…スカート?

135: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 16:21:47.40 ID:WuLtuWlB0
>>133
キャスケット帽被ってました。服装は…ちょっとタイトなジャケットに
ホットタイツ…だったような…ちょっと変わった服装だったけど
女の子らしかったと思います
140: 名も無き被検体774号+ 2012/01/15(日) 16:27:08.84 ID:Znema7ww0
>>135
イイ!
134: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 16:18:19.04 ID:WuLtuWlB0
彼女「お兄は長男だったから…父さんたちも一生懸命だったんだろうな…」
俺はなんだかこの話をこのまま聞いていていいのか、いたたまれなくなった。
彼女「お兄は大学に行ったら好きなように創作活動できると思ってたんだろうね…」
彼女「大学に入ったら、今度は親に官僚か弁護士になるように勉強しろとこっぴどく言われて…」
俺「弁護士…司法試験ですか…」奇しくも俺も法学部だったので反応した。

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