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「わかってんだよ。携帯を盗んだのもあんた。私が(彼氏)さんを好きなあまりやつれてる? 笑わせんじゃないよ。あんただろうがよ。」

time 2022/12/11

「わかってんだよ。携帯を盗んだのもあんた。私が(彼氏)さんを好きなあまりやつれてる? 笑わせんじゃないよ。あんただろうがよ。」

844: 832 2008/01/31(木) 16:41:19 ID:d6OQ5ArfO

数日後の早朝、私の携帯に、知らない番号から電話がかかってきた。
相手は女だった。息切れした様子で、
「(彼氏)さんと、別れて。友子が、大変なの。人助けだと思って。今にも、友子が・・・」
と言って切れた。

その日の夜、彼氏からの電話で、ことの真相がわかった。

犯人はやはり女で、彼氏のことが好きなのは女のほうだったらしい。
美人で社内の男性にも人気のある友子からの電話だったら、彼氏がでると思ったので、

友子の電話を奪ってかけた。
しかし、自分は友子ではないので、かけたところで何を話していいのかわからず、
「あ・・・う・・・」としか言えなかった。
でもかけるととりあえず、彼氏の「もしもし?」が聞けるので、その後も繰り返した。

思い切って彼氏の自宅に来て見たが、その日は偶然彼女(私)がいたので、
その場で、友子が彼氏を好きで云々の相談話を作り上げた。

854: 832 2008/01/31(木) 20:31:22 ID:d6OQ5ArfO

彼氏から、「女が相談にきた」という話を聞いた友子は、暫く様子をみていたが、
何日かしてまた自分の携帯がなくなったので、おそらく女であろう犯人を捕まえようと、 次の日の朝にこっそり会社に早く来て、隠れてオフィス内に潜んで見張っていた。
そして案の定、暫くしたら女が始業時間より早めに来て、自分のデスクのあたりにきたので、
飛び出していって捕まえようとした。
しかし、女は友子の存在がわかると、しらん顔をし、携帯は置かずにそこから去っていった。
女は携帯を持ったまま、その携帯で、私に電話をかけたのだった。

しばらくして始業の時間になると、さすがに女も戻ってきたので、友子は皆の見ている前で女に問い詰め、
全てを白状させたらしい。
初めは女はすっとぼけていたが、普段は女性らしい友子の、
「もうわかってんだよ。携帯を盗んだのもあんた。
そんで?私が(彼氏)さんを好きなあまりやつれてる?
笑わせんじゃないよ。あんただろうがよ。」
という低い声は結構な迫力で、
しばらくして観念したらしい。
その場に彼氏や他の社員も、そのときの友子にはかなりびびったようだ。

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