2024/06/08
実は俺の親父は酒乱でさ、小さい頃からボウリョクを受けてたんだ、俺。
一番古い俺の写真は右腕にギプスつけてる。
酔った親父に高い高いされたら親父が受け止め損ねてそのまま落下したらしい。
酔った親父となぐり合いの喧嘩したのが小1の頃だ。
ボッコボコにされたけど俺もやり返したら、それ以来2度と酔っても俺に手をあげようとはしなかった。
その代り祖母と母へのボウリョクが激しくなったんで、酔った時に親父をなぐり飛ばすのが
俺の仕事になったんだ。
「あの人(親父)は酒さえ飲まなきゃいい人なんだ」
これが祖母と母の言い分だった。でも俺は納得できなかった。
「酒さえ飲まなきゃ…って言っても酒飲んでない時の親父を俺は見た事がない。
当人が酒止める気ないんだから、やっぱり親父は最低最悪の人間だ。」
これが当時の俺の考えだったし、今でもそう思ってる。
それから程なくして両親は離婚、母は俺と祖母を連れて家を出た。
祖母は母からしたら姑なんだけど、母と祖母は仲が良かったからね。
親父とはそれっきり会ってない。母も知らないらしい。
祖母は俺が中1の時に天寿を全うした。
俺は職業訓練校を修了後、地元の建築会社に就職が決まった。
仕事柄飲み会は多かったが、仕事上の付き合い酒もなるべく行かないようにしたし、 プライベートでは一切飲まなかった。
自分もあの親父の血をひいてるんだから俺もああなるんじゃないか、
そう思ったらとてもじゃないが無理だ。
上司や仲間内には「酒乱の気があるんで…」と嘘?を言って酒は一切断り、
その代りにハンドルキーパーとして飲み会には参加していた。
ある時飲み会で酔いつぶれた上司を自宅に送っていく事になった。
ご自宅の前で上司を奥様に引き渡して帰ろうとしていたところ、 隣の家がやたらと騒がしかった。
奥様に尋ねると
「あちらのお宅はね…旦那さんがちょっと酒乱でね…飲まなきゃホントいい人なんだけどねぇ」
と教えてくれた。
頭に血が上ったが上司のご近所さんの事情に首を突っ込むのも…と躊躇していたら玄関から女の子が泣きながら飛び出してきた。
奥様に向かって
「おばちゃん助けて!お母さんが頃されちゃう!」