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ホームレスにギター教えてもらった話

time 2021/12/16

ホームレスにギター教えてもらった話

252: 2016/11/24(木) 01:59:39.99 ID:DX2dcY/Q
ジジイ「家ではギターばっか触ってたな。34にもなると子供が出来た。一人息子。子供はそれだけ」
子供もいたのか…尚更何してんだよ…
ジジイ「俺はあの時代を生きて幸せじゃった。それから色んなバンドが出た。ほとんど海賊を買うてな?音質がわりいわりい」
ジジイ「それでもブルースの影響を受けてるやつは片っ端から聞いた。フリーなんて一生分聞いた」
ジジイ「いつか部下が話したことだがクラプトンやジョン・レノンは課長より年下ですよ?ってのはショックだったわ」
253: 2016/11/24(木) 02:03:27.58 ID:DX2dcY/Q
ジジイ「まあそれでもエレキは弾く気にならんかったわ。まあアコギは一人で出きるしな」
ジジイ「ある時よしのがプレゼントをくれた。今でも覚えてるわ」
ジジイ「38の誕生日。ギターをくれた。今も使ってるあいつだ」
あれそんなに古いのだったのかよ!?俺はびっくりたまげてたわ。
ジジイ「内緒でよしのなんて名前をつけた。ばれてたまるかい、恥ずかしいw」
笑ってはいるがとても嬉しく誇りにしているのが伝わる。俺のギターもそうなれば…そんなことを思った。
254: 2016/11/24(木) 02:04:53.57 ID:dmT+I6ej
エエ話やね
256: 2016/11/24(木) 02:07:11.28 ID:DX2dcY/Q
ジジイ「そこでな?不思議な縁でな。大学の教授やっちくれいって誘いがあった」
ジジイ「俺が?なんて思ったさ。まあ面白そうじゃ、受ける。2つ返事じゃ」
今の感覚ではこのジジイねらーかよw何の縁でそうなんだよとか思ってた。
ジジイ「そして※※大学に行った。まあ母校だったしな」
あれ?どこかで聞いたことがあると思った。親父の母校だった。
268: イッチー・ブラックモア 2016/11/24(木) 22:09:45.85 ID:DX2dcY/Q
ジジイ「それで40で母校の先生じゃ」
ジジイ「そうやな、今から30年くらい前じゃ」
ジジイは懐かしそうに語る。
ジジイ「そこのアコースティックギター部の顧問もした。あんま教えられんかったが」
ジジイが他に教えてる人間がいたのか…そもそも大学の客員とはいえ教授なんだからあんだけ教えるのが上手かったのかと納得した。
270: イッチー・ブラックモア 2016/11/24(木) 22:11:54.32 ID:DX2dcY/Q
ジジイ「お前1つ勘違いしとるぞ?」
ジジイはにやっと俺を見る。
俺「何がじゃ?」
ジジイ「俺は昔は厳しかったんだぞ?めたらめっぽう誉めたりなんざしねえ」
衝撃だったな。これも。あんなに愉快で褒めちぎりのジジイが?厳しかった?ウソにしか聞こえない。
俺「ホントか?それ」
271: イッチー・ブラックモア 2016/11/24(木) 22:14:59.41 ID:DX2dcY/Q
ジジイ「なめられねえよう一生懸命だったからな。大学生だろうと容赦はしなかったぜ?」
俺は口をポカン。
ジジイ「それから少しして、つーても昭和の終わりになった頃かな?」
突然悲しい顔をした。とても、とても胸に来る表情だったのを覚えている。
ジジイ「息子が亡くなった。単に事故だったがな」
272: イッチー・ブラックモア 2016/11/24(木) 22:18:06.98 ID:DX2dcY/Q
息子さん…。俺はまるで身内が亡くなったかのように心に深い感情を抱いた。
ジジイ「…湯冷めすんな。上がるか」ザバッ
パシッ
俺「…湯冷めでいい。続き。話して下さい」
これが俺のジジイに対しての最初で最後の敬語だ。ジジイは驚いていたがまたすぐに笑って
ジジイ「風邪引いたらお前のせいじゃけえな」
とまた湯船に浸かった。

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