2024/06/08
38: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 04:39:45.17 ID:WuLtuWlB0
予想外だった。連絡先どころか、ほぼ喧嘩別れクラスの雰囲気の悪さで別れてしまった。
イラスト、ちょっとくらいはテンション上って話が膨らむかなと思ったんだけど…
もしかしたら、そういうのが嫌いな人だったのかもしれない、
そう思って俺は落胆した。
「一体あの子は何だったんだろう…?」
キャスケット帽が似合ってたのは覚えてる。でもそんな風貌でゲーセン来るなんて…
俺はすごい気になった。
41: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 04:44:14.53 ID:WuLtuWlB0
いかんせん、俺が人間として少しでも甲斐性を見せるにはイラストしかなかった。
だって、それしかしてなかった…
それから数日経って、俺は再びゲーセンを訪れた。
彼女はまた居た。
その日はLOVをやっていた。その日はなぜかベレー帽。
でもそれも似合っていて、可愛かった。
相変わらず不思議な人だなあ…と思いつつ
俺もおもむろに近くでLOVをプレイし始めた。
42: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 04:46:24.84 ID:WuLtuWlB0
この時、様々な疑問が浮かぶ。
今日は平日だぞ。
俺は講義半日だからいるが。
彼女はなんなんだ?
大学生?フリーター?
同い年くらいに見えるけど…
というか名前も知らないし。
悶々として、ゲームに集中できない。
43: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 04:48:02.92 ID:WuLtuWlB0
LOVの彼女の称号レベルをチラ見する。
やはり、俺よりやりこんでいる。
そして勝率も高い。明らかに俺より上級プレーヤー。
そして勝つと、
「やったね~!」と声を上げる。
相変わらずの奇人っぷりを発揮していらっしゃる。
44: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 04:50:19.69 ID:WuLtuWlB0
ゲームが終わったところで、俺は肩を叩いて、ども、と会釈する。
「あ、来てたんだね~。ジュース買おうぜ~」
などと言い出す。もはやキャラが分からない。
馴れ馴れしいし、
本当に素の時は変な人なんだ。なんなんだこの人。
ますます気になる。
46: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 04:54:44.74 ID:WuLtuWlB0
自販機前で、俺「あ…この前はなんか…すいませんでした」
すると彼女は何が?ときょとんとした顔になった。
俺「ほら…イラストとか言ったら…」
彼女「あ~、あのことはね、ちょっと…」
彼女「私もね~描いてたんだよ、ついこないだまでね!」
俺「絵を描くの好きなんですか?」俺がテンション上げて言うと、
にっこり笑って、「好きだったんだよ。今は描いてない。」
俺「どうして…ですか?ってかアナタって今日も平日ですけど…
大学生さんとか…ですか?」
彼女「ちょっと違うかな」
49: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 04:57:42.98 ID:WuLtuWlB0
彼女「わたしは美大だよ、だから大学生だけど、今はなんというか…」
俺「ええ!美大って…すごいですね…雲の上の人だ…」
彼女「…今は思い出を見に来てるというか」
俺「はい?」
彼女「ここっていい所でしょ」
俺「ゲーセンに…ですか?思い出?;」
52: 1 ◆WiJOfOqXmc 2012/01/15(日) 05:01:32.10 ID:WuLtuWlB0
彼女は次第に俺が年下だと気付いて、口調は変わっていた。
俺「え、そりゃどういう…」
彼女「ま、さ!」
いきなり大声を出す。
彼女「一回で知りたいこと全部知れるほど、簡単じゃないよ~」
といってゲームにもどろうとする。
俺「え、そんな…また次もゲーセンに来てくれますよね!?」
彼女「くるくる~まだ浸りたいから」
彼女の言葉はひっかかることだらけだった。
思い出?
その時の俺にはまったく理解ができなかった。
そして美大生。ますます俺は彼女の虜になてしまった。